未経験からインハウスのWebデザイナーへ。転職活動中に感じたこととは？
今回は、スクール卒業後にインハウスのWebデザイナーに就職された長谷川さん（20代後半・女性）にお話をお伺いしました。
これから勉強を始める方の中には、「インハウスって何だろう？」と思う方もいらっしゃると思います。そこで、簡単にですがインハウスと制作会社の違いについてご紹介しますね。
Webデザイナーの就職先を大きく分けると、「インハウス」と「制作会社」の2つがあります。
インハウスのWebデザイナーは、1つの会社に所属し、その会社のWebサイトやサービスを作ったり、修正したりする仕事です。
同じサイトを長く担当することが多いため、「ここのデザインに変えたらどうなるかな？」「この導線は使いやすくなったかな？」と考えながら効果検証を行い、改善を繰り返しつつ、サイトを育てていく働き方が特徴です。
一方、制作会社のWebデザイナーは、いろいろな会社から依頼を受けてサイトを作ります。
飲食店のサイトや企業サイト、ECサイト…というように、短い期間でさまざまな案件を経験できるのが特徴です。
今回インタビューは行う長谷川さんは、Webスクールを卒業後に、未経験からインハウスのWebデザイナーへ転職されました。現在は、WordPressを使った更新・修正など、実務の中で手を動かしながらスキルを磨いています。
Webデザイナーの働き方についてもっと詳しく知りたい、未経験からの転職イメージを掴みたい、という方は、下記のブログも読んでみてくださいね！
現在、どんな会社・形態で働いていますか？
インハウスのWebデザイナーというポジションで、仕事の割合としては8割コーディング、2割デザインという感じです。
──働き方は出社・リモートどちらですか？
週5日、完全出社です。
──インハウスということですが、どんな事業をされている会社ですか？
会社自体はシステム開発の会社で、私が所属しているのはその中のデザイン事業部という部署です。
──システムの業務も担当しているんですか？
ほとんどやらないですね。ただ、システム事業部の方から「フロントのスタイルを整えてほしい」とか、「UIのデザインを考えてほしい」といった形で、部分的に関わることはあります。
仕事内容を教えてください
メインはコーディングですね。それ以外に、WordPressの記事更新や簡単な修正なども担当しています。あとは、ECサイトの構築に関わったことがあり、管理や修正作業も行っています。デザイン業務はバナー制作を月に1回ぐらい行っています。
──入社してからの期間はどれぐらいですか？仕事には慣れてきましたか？
今でだいたい8ヶ月ぐらいです。なんとか、やっと慣れてきたかなという感じです。
──転職してすぐはやっぱり大変でした？
大変でした。業務の8割がWordPress関連なんですけど、自作テーマでかなりカスタマイズされているものもあれば、Snow Monkeyのテーマを使っていてコードが複雑になっているものもあって…。なので、案件に入るときに、まずそのサイトの構成や作りを理解するところから時間がかかりました。最初の1〜2ヶ月は結構きつかったです。
──テーマをいじりすぎると、もう魔物になりますからね。
本当にそうなんです。「これ誰が作ったんだろう」とか、「もうWordPressじゃないじゃん」みたいなサイトも結構あります。
──1日のルーティンや、決まった流れはありますか？
固定のルーティンはあまりないです。出社して、依頼が来ていたら、依頼内容を確認して、自分が持っているタスクの中で優先順位を決めて、自分で処理していきます。毎日やることは違いますね。
──なるほど。チーム体制はどうなっていますか？
案件ごとにメンバーが決まっています。プロジェクトリーダーが1人いて、あとはデザイナーとコーダーが入ります。ただ、みんなバラバラに作業している印象があります(笑)
──タスク管理はチャットですか？
はい、基本はチャットとBacklogを使っています。タスクが降りてきたら課題登録して、誰が何をやっているか分かるように管理されています。
──Backlogは、案件の進行管理の全体の流れを見るツールのことですね。分からないことは聞ける環境ですか？
いつでも聞けますね。
──未経験から入って、大変だった点を挙げるとすると？
それぞれのサイト仕様に慣れるためにコードを読み解く部分ですね。分からないことにぶつかっても折れない心、コードを読む忍耐力は必要だと感じました。
──AIツールは使っていますか？
私含めみんなかなり使っていますね。私自身もめちゃくちゃ頼りにしています。
その仕事に就いたきっかけや理由などを教えてください
前職はどんなお仕事をされていたんですか？
前職はカフェの副店長として働いていて、主に接客や人材管理といった業務を担当していました。
──キャリアとしては、カフェで働いていた期間は結構長いんですか？
アルバイトだった期間も含めると6年半ぐらいで、そのうち3年半ぐらいが副店長として働いていました。
──転職しようと思ったきっかけは？
2023年の年末頃から、そろそろ転職しようかなと考え始めました。カフェの副店長の仕事自体はすごく好きだったんですけど、長い目で見ると体力的に厳しいなと感じていて。将来的に長く働ける仕事をしたいと思い、スキルを身につけられる仕事としてWebデザインをやってみようと思い勉強を始めました。
──スクールの受講時期としては2024年6月〜11月ですね。受講終わった後に、求人に応募して転職活動していたんですか？
そうですね。一般的な求人媒体を使って、応募しました。
──応募数や転職活動期間は覚えていますか？
だいたい5社ぐらい応募して、そのうち2社から内定をいただいて、今の会社に入社を決めました。
──かなり効率のいい転職活動ですね。
そのタイミングでするつもりではなかったため、準備不足な部分はありましたね。ただ一方で「今仕事を決めないと」という状況だったので、後から見ると結果的に効率が良かったのかなと思います。
──就職された卒業生の中では、制作会社に行く方が多い印象ですが、インハウスを選んだ理由はありますか？
正直、応募した時点ではインハウスと制作会社の違いをそこまで理解していませんでした。とにかくこの業界に入って実務に触れることが一番の目的だったので、そこはあまり深く考えていなかったですね。
──接客業からの転職で、コミュニケーション面の違いはありましたか？
前職は対面が中心だったので、転職後はテキストコミュニケーションが多い点に最初は戸惑いましたね。
「もっとやっておけばよかった」と思うことはありますか？
私は学習していた時から、コーディングの方が好きで、デザインの勉強を少し疎かにしてしまっていたので、デザインの勉強やデザイン貯金をもっとしておけば良かったと感じています。
実務でコーディングする時に、どういう意図でデザインを組んでいるのか、デザインとして大事な部分ってどこかと考える視点は、実装する上でやっぱり必要だと感じています。
──就職すると、最終的にはどちらかに比重を置くことになるが多いけど、ま、なんやかんや両方できると便利なところがありますからね。
そうですね。デザインメインだとしても、コーディングの知識がないと「これどうなってるの？」と実装困難なデザインを作ってしまうケースもあると思うので、相互理解が大切だと実務に就いて感じました。
──めちゃめちゃ考えて実務に就いていることが伝わってきますね。8か月の成長がすごいです。ご自身でも成長感じたポイントはありますか？
かなりできることが増えた実感があります。依頼を受けた時に、「こういうコードを書けば実装できそうだな」とイメージできるようになりました。入社当初は、どう実現すればいいのか分からず悩むことが多かったですが、今はだいぶスムーズになりました。
──技術的な理解も深まりました？
かなり深まりました。WordPressで使うPHPやJavaScript、CSSも、スピードだけではなく理解度も上がったと思います。以前はハンバーガーメニューを自力で書ける程度でしたが、今は調べながらやりたいことを実装できるようになってきました。
これからの展望ややりたいことなど教えてください！
将来的には、Web制作の一連の流れを1人でできるようになりたいです。ディレクションからデザイン、コーディング、効果測定まで含めて、目標達成につながるサイトを作れるようになりたいと思っています。
知識や経験が増えると、色々な展開が広がるからね。今後が楽しみですね！
これから学ぶ人や始めたい人へのメッセージ
未経験の転職では、私はそれほどスキルって求められていなくて、面接とかで見られるところは、頑張れる子なのかとか人柄だったり、コミュニケーションの部分だと感じました。だから、未経験でスキルの不安はもちろんあると思うんですけど、そこは一旦置いて、誠意ある姿勢や、自分が出せる精一杯をちゃんと伝えられるように準備しておくことが大切だと思います。
あとは、未経験で採用してもらい、お仕事をさせてもらえるというのはすごくありがたいことだと思うんですね。だから、入ってからも勉強は続ける必要があると感じます。続けないときっとどこかで頭打ちのところが来ると思うので。就職してからも日々勉強は継続する必要があるっていうのが私の意見ですね。
割とスキル重視に見えて、そうでないことも未経験の求人だと多いですからね。会社との相性とかも大事ですし。転職に対して不安を持っている方にとって、前向きになれる貴重なお話ですね！ありがとうございました！
