新卒で建築業界で働き、次はWebデザイナーへ
建築業界でマンションの施工管理や、広報などをしている井上さん。
仕事をする中で、デザインと場所にとらわれないWeb業界に興味を持ち、転職も視野に入れながら、Webデザインを学ぶために「CreatorsFactory」に入学されたようです。
それでは、お話を伺っていこうと思います!
古川
井上さん
マンションの改修工事の施工管理・提案(営業)をしています。
場所にとらわれない仕事に興味があったこと。デザインを勉強してみたかったこと。建築業界に別業界の要素を混ぜて、より働きやすいものにしたかったことから、スクールに通うことを決めました。
●授業がある日の一日の流れ
06:00 起床
07:00 メールチェック
08:00 出社 始業
18:00 退社
18:30 授業スタート
22:30 帰宅 お風呂やごはん
24:30 翌日のタスク確認・〆切調整・ヨガor筋トレ
02:00 就寝
スクールに来る前はどんなことをしていましたか?
古川
井上さん
ーーあれですよね。家を建てる前の工程を管理する人ですかね?現場監督さんみたいなイメージでしょうか?
井上さん:そうなんです、工事をする時に進捗確認とか職人さんたちがちゃんと動いているかなとか、お客さんに注文してもらった通りに工事が進んでいるかなどを確認する役割の人です。現場監督さんのイメージに近いですね。それのもう少しラフな監督さん、というイメージでしょうか。
ーーなるほど、昔から建築業界に興味があったのですか?
井上さん:そうですね。大学も建築学部を出ていて、高校が理系だったのでその中で自分の興味がある分野がどれかなって考えた時に、建築しか残らなくて。
ーー建築学科のイメージなんですが、卒業制作がめちゃくちゃ難しいとお聞きしたんですが、やはり大変でしたか?
井上さん:確かに大変でしたけど、楽しかったです。私は卒業論文だったので、インドに1年に1回ぐらい2年ほど行って、インドの都市空間を解明していくみたいなものを書きました。
ーーめちゃくちゃ楽しそうですね!インドの建築は日本とどう違うのでしょうか?あの玉ねぎ型の屋根のイメージがとても強いんですが……。
井上さん:めちゃくちゃ楽しかったです!インドの地図起こしから始めたんですけど、都市を歩きまくりました。インドの建築は日本とは全然違いますね。
あの例の形も多いのですが、基本的にヒンドゥー教が多いので、ヒンドゥーの寺院がたくさんあります。もともとお寺が建っていた土地に、上から家を建てちゃったみたいな部分も特徴的ですね。戸建ての一階の部分はヒンドゥー教のお寺。そこは誰でも入れる開放された空間で、2階からお家みたいな形です。だから夜中でも朝でも人が出入りするっていう、自分の家に1階だけみんな入ってくるみたいな。すごくオープンです。
ーー1階が店舗で2階が自宅みたいな…笑。日本と違う文化の建築の話は楽しいですね!そういったことを卒業論文で書いたと。もっと聞きたいですね〜ですが、そろそろ次の質問にいきましょう…!
井上さん:そうですね、すごく楽しかったです!どんどん話を広げちゃいそうなので、次に行きましょう(笑)
なぜWebの勉強をしようと思ったのですか?
古川
井上さん
井上さん:そうなると結局何が言いたいのかわからなくて、それを配っても頑張って作ってもお客さまに伝わらなくて、トラブルに発展したりすることが結構多かったんですね。その時にやっぱりデザインって大事なのかなと意識するようになりました。グラフィックのデザインも面白そうだなと思っていたんですが、せっかく勉強するなら仕事にもいかせる方がいいなと思ったのが、きっかけとしてはありますね。
いろいろ繋がってくるんですけど、工事の仕事をしていると現場に絶対行かなくちゃいけないんですよね。なので夜にお客さんからクレームが入ると現場に行かなきゃいけない。あまり遅い時間は行かなくていいんですけど、夜の8時ぐらいなら行きますって感じで。そういうことがあったりするので場所に縛られない仕事っていいなと、思ったこともあります。Webデザインがのことを知ってから「Pinterest」でサイトデザインなどを見ていて、面白そうだなと思ってやってみようかなと。
ーー夜に行かなくちゃいけないのは大変ですね…。いまの会社でお客さんのためになる知識はないか?というところもきっかけになった感じなのですね。資料を作る機会は多いのでしょうか?
井上さん:多いですね、工事ごとにありますので。中でも広報文や説明会があったり、その資料を作ることが多いです。元々のフォーマットがあるんですけど、これでは伝わらないかも、と思うことも多かったですね。
実際にWebデザインの勉強をしてみて、いかがでしたか?
古川
井上さん
井上さん:四人とかでチームを組んでやるというのが、普段の仕事ではあまりしない取り組みというか働き方なんですよね。どちらかというとペアとか、引き継ぎをしてもらったら一人で進めることが多くて。グループでやることがないので、こうやって進めていけばいいんだとか、こういう部分が自分はできていないとか、そういう気づきがあったのが素直にとても良かったと思います。
ーーなるほど、普段の仕事の中でやらないことを体験できたのは貴重ですね!他に授業の中で楽しかった内容や、印象に残っているものはありますか?
井上さん:一番最後に自主制作と言うか個人でやる課題があったんですけど、その時自分が一番好きなもの作っていいよと言われた課題です。やっぱり建築が一番好きなので自分の好きな建築を題材に、これから勉強したいと思っていることと組み合わせてやるのがとても楽しかったです。
ーー作りたいものがあるのはいいですね!実際にどんなものを作ろうとしていたんですか?
井上さん:実は大学に通っていた時は、めちゃくちゃ建築が嫌いだったんですよ、最初は。1年生の頃は、親も建築やってますみたいな、建築のサラブレッドの子がいたりとか、家が建築事務所をやっている子とか自分の家を設計士さんに建ててもらったとか、そういう建築とか美術に触れている環境で育った子が多くて…。自分はなんというか、そういうのがないというかで落ち込んだりしました。
ーーそういう学校にいると、やっぱり何割かは豊かな環境で育った方はいますよね。
井上さん:それでなかなか成績が上がらなかったりとか、評価は課題でつけてもらえるけど悔しいっていうのがあったんですよ。先生に建築を勉強するなら実物を見に行きなさい、ともよく言われたのですが、どれを見に行けというのは言われないんです。自分で探せ、みたいな。
ーー先生からここを見に行くといいよ、みたいなおすすめはないんですか?
井上さん:先生のおすすめもあるんですけど、まずそれの何がいいのか最初ってわからないんですよ。それで先生も変わっている方が多いので、「ここの隙間がいいよね」とかいきなり言われても何のことやら分からないんですよね(笑)
そういうのがわからなかったので、学生や建築に興味がある人はいるのに、建築業界って結構閉ざされています。興味はあるけど気軽にいけなかったりとか、一緒に行ける人がいなかったりもします。そういう方に向けて、こうゆう建築があるよと紹介したり、この建築ならここを見ると面白いよとかを伝えたいですね。
ーーそれは確かに知りたいかも。現地ガイドじゃないですけど、建物も設計士や時代背景を知ったほうが楽しめそうな気がしますね。
井上さん:建築って設計をする方によって性格が建物に出るんです。ここが設計士さんのポイントだよとか。あとは建築分野も書籍が大事なんですけど、Webと一緒で高いんですよね。高いのだと1万円ぐらいするものもあるので、学生さんだとそこまでお金もないじゃないですか。その中から厳選してこの本が面白かったよとか、触りだけ説明したりとか、そういうサイトがあったらいいなと思ってそれを作ろうかなと思っています。ただ全然進んでないんですけどね。
古川
井上さん
いまどんなことを、勉強や活動していますか?
古川
井上さん
ーー転職先の会社はWeb系を探しているんですか?それとも建築関連するところで探しているんでしょうか?
井上さん:実はつい最近友人から連絡が来て、デザインやアートクリエイティブなことをメインに、町おこしや地域づくりをしている会社があるんです。もともと会社と言うかユニットという感じの会社みたいなんですが、そこで友人がアルバイトをしていて、社員を募集していると聞いて、今とてもときめいています。
ーーなるほど、それは面白そうな会社ですね!では一旦はそこについて調べるといった感じですかね。町おこしや地域の事業になると、建物をリノベーションしましょうとか、繋がってきますもんね。
井上さん:そうですね!まずは準備をしつつ、気になるところを調べている感じですね。
ーー他にスクールの授業が終わって、これも勉強したかったとか他に習得したい知識などはありますか?
井上さん:授業の内容に不満はないんですが、なかなか単純に私が時間を作れなくて、やっぱりデザインが気になったのがきっかけでスクールに入ったので、まだコーディングに対して苦手意識は持ってますね。もうちょっと勉強しないといけないなーとは思ってます。
ーー確かに4ヶ月って長いようで、学び始めると時間が足りないですもんね。そして、転職も頑張って欲しいですね。夜に呼び出されるのもやっぱり大変だと思いますし。
井上さん:トラブルが続くとやはり辛いですね。行くのが辛いというよりは、会社の人同士で話しているとわからないんですが、友達やスクールの方にそのことを話すと「え、大丈夫?」とよく言われて、これはノーマルじゃないって感覚が麻痺してしまっていることも気が付きましたね。
ーー私も夜にトラブルで呼び出されるのは、結構ストレスに感じます……。
井上さん:でも呼ばれて行ってなんとかなるならまだ行きますかね。行ってもどうにもならないこともやっぱりあるので。解決できないことは対応の部署にパスを回したりとかします。そこでもいきなりパスだけ回しても、部署も人も困るので、クッションを置いて柔らかく伝えるとかしてますね。
ーー本当に中間管理というか、橋渡しをする担当の方は本当に大変ですね…。
今後はどういった働き方をしていきたいですか?
古川
井上さん
ーー週休3日はいいですね〜!自分で裁量を持てるようにしないと、そういう風スタイルにできないですもんね。働きたい分野は、今後も建築には関わっていきたい感じでしょうか?
井上さん:そうですね。Webサイトを作るにしても、建築家のWebサイトや、町おこしの団体や地域や街に関わるイベントのサイトがつくれたら、楽しそうだなと思います。
今後、Web業界を目指している人にメッセージをお願いします
古川
井上さん
ーーなるほど、学ぶ時間を作れるようにすることも大事なんですね。仕事に行きながらで大変だったことはありますか?
井上さん:結構遅刻したり、休んだりもしてしまいました。会社が新大阪だったので6時に終わって、6時半ぴったりに駅に着くのでギリギリみたいな。帰宅ラッシュの時、御堂筋線は平気で遅れてくるので…。
ーーちなみにこれもよく聞く質問なんですが、異業種からWeb業界に転職を考える際に、気持ちの面で変わったことや良かったと思うことがあれば、教えていただけますか?
井上さん:なんか遠慮しないでもっと早くしたら良かったなと思いました。スクールに入ったからといってすぐに転職しなければいけないとか、強制感とか全然無いじゃないですか。つかず離れずで先生が距離感を保ってくれると言うか、エゴなく接してくれるのがわかりますね。
Webデザインが学べる学校にもともと興味はあったんですが、行ったら転職しなきゃいけないような学校が多いじゃないですか。ここはそこまで強制されないし、でもきっちり教えてくれる。授業以外でもいろんな勉強をする機会を与えてくれるので、もっと早く気軽に来ればよかったなと思いましたね。
ーー転職に成功すれば実績になりますから、難しいところですね。転職以外を目的にしてスクールに入る方も増えていますしね。では最後に一言、なにか座右の銘などをどうぞ。
井上さん:えっ、やだぁ(笑)小学生の時に、好きなことわざを言いなさいみたいな宿題ってよくあるじゃないですか。微妙に頭がいい子ぶっていたので、分厚いことわざ辞典が家にあったのでそれをめくりまくって、一番難しいのにしてやろうとたまたま見つけた「万事塞翁が馬(ばんじさいおうがうま)」って言葉があるんですけど。
これが結構意味が良くて、「いいことと悪いことは結局順繰りで必ず交互に起こるから、いいことが起こってる時に調子に乗らない、悪いことが起きても落ち込まないで、頑張り続けなさい」っていう意味があって。
ーーシンプルにめっちゃいい言葉ですね!
井上さん:そうなんですよ。それをずっと覚えていて、会社でトラブルが続いてしんどかった時は、これがずっとじゃないから、死にはしないからって思いだしながら仕事はやっていましたね。
古川
建築のお話をしているときがとても生き生きされていて、本当に好きなんだなぁという気持ちが終始伝わってくるのが印象的でした。建築のサイトづくりもぜひ頑張って欲しいです。本日はありがとうございました!
井上さん